Project
平成25年度研究計画
計画の3年目までに,ターゲットとした長鎖RNAから機能領域を見出し,その立体構造および機能を明らかにすることをめざす.手法の開発については,NMR法による100〜300残基からなるRNAの立体構造情報の抽出手法の高速化を図る.これは,主として位置特異的安定同位体標識RNA試料の調製方法の高効率化によって達成できると考えている.酵素的連結法においては,連結部位の選定がその効率に大きく影響する.そこで,二次構造予測の結果を踏まえた,効率のよい連結部位の予測方法について検討する.
プロジェクトにおいて見出された構造領域については,それと相互作用するタンパク質因子を探索すること,および見出した因子との相互作用を解析する.免疫系細胞や神経細胞においてすでに相互作用が知られているような系の場合には,RNAの立体構造と相互作用あるいは機能との関係についても解析することを試みる.lncRNAについても,相互作用する因子の探索のほか,見出した構造領域の種間の保存性などの解析も行い,その機能に迫る.
本年度の後半には,公開シンポジウムを開催し,研究成果を公表する予定である.