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平成24年度研究計画
平成24年度は,長鎖RNAにおいて構造を形成する領域(構造領域)を推定する手法の開発を引き続き進め,構造領域の推定方法の効率化を図る.また,これと並行して,mRNA,lncRNAあるいはウイルスRNAに適用し,構造領域の推定を試みる.mRNAについては,免疫系細胞や神経細胞などにおいて特異的に発現しているmRNAを選定し,GenoPoemicsおよびvsfoldによる解析を試みる.さらに,得られた構造領域候補についてはNMR法による解析も進める.lncについては,染色体の遺伝子発現量の補正に関与するXist RNAやゲノムインプリンティングに関与するRNAなどについて,同様な解析を試みる.ウイルスゲノムRNAについては,HIV-1の5'-UTRに存在する二量体化開始部位などの構造領域,HCVのIRES,あるいは植物ウイルスのゲノムRNAに含まれるtRNA様構造(TLS)などについて,同様な解析を行い,手法の評価を行うとともに,新しい構造領域の発見を試みる.
一方,構造領域が見出された場合には,その機能解析として,相互作用する可能性のあるタンパク質因子の探索,および相互作用の解析を試みる.