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研究概要と目標

研究概要と目標

本研究は、研究代表者らが発見した新しい一群の低分子RNA(miRNAやsiRNAよりは少し大きめの50-100ヌクレオチド[nt]程度)の機能の解明を行うものである。この低分子RNAは、哺乳動物における内在性のアンチセンス/非翻訳性RNA(non-coding RNA;ncRNA)を研究中に発見された。

その後の解析で、このサイズの低分子RNAはアンチセンスRNAが転写されている遺伝子座を含め、その他のゲノム全体の領域から転写されていることが判明した。

これらRNAは始めから50-100ntとして転写されたとは考えにくく、プライマリー転写産物からプロセスされ、細胞内で安定的に存在するために立体構造を形成し、特定のタンパク質に結合していると考えられる。そのサイズを考慮すると既に知られている20-30nt程度のmi/si/piRNAとは別のカテゴリーのRNA分子と考えられる。ランダムに30個程度の50-100ntのRNAを調べたところ、すべてdicer-independentであった。その存在の普遍性から生命活動に非常に重要な役割を担っていることが予想される。これら新規低分子RNAに関して、遺伝学的アプローチ、生化学的アプローチ、構造生物学的アプローチを駆使して、その基本的な機能の解明を試みたい。

新規低分子RNA解析の研究概要