特色ある科目
Featured subjects
生命情報学
ゲノム解析によって生命の秘密を解き明かす方法を学びます。
河合 剛太 教授 ― RNA、ゲノム、タンパク質、バイオインフォマティクス、バイオテクノロジー
生命情報学を学ぶ上でコンピュータは不可欠なスキル。
生命の設計図であるゲノムからさまざまな情報を読み解くためには、コンピュータ活用が効果的です。この授業では、コンピュータ演習室での実習を通して、ゲノム情報を解析する方法を身につけます。例えば、DNAやRNAの塩基配列や、タンパク質のアミノ酸配列からどのようなことが分かるのか、あるいは、タンパク質の立体構造をどのように予測するのかというようなことを実践的に学んでいきます。こうした解析は、生物の仕組みを解明するには欠かせませんし、病気の因子の特定や新薬開発の基本にもなります。ここで学ぶ生命情報学の基礎は、これからの生命科学の広い分野で必ず役立ちます。
分子免疫学
私たちを病気から守る免疫について遺伝子レベルまで理解を深めます。
橋本 香保子 准教授 ― 免疫、遺伝子工学、細胞、遺伝子改変動物
がん遺伝子が活発化してがんを発症する仕組みを学ぶ。
体内に病原体が入ったとしても、健康であればめったに感染症を発症しません。それは、免疫系が病原体を分解し、私たちの体を守っているからです。高校の生物の教科書でも扱われる免疫ですが、大学では病原体の排除、ワクチンの作用などを“分子と遺伝子のレベル”まで理解していきます。時にはアレルギーをもたらし、拒絶反応によって移植を阻むこともある免疫ですが、発症の原因を理解すれば、免疫系のメリットをがんやアレルギー治療に生かす方法、i PSから免疫系を再生する研究にも興味は広がっていくはず。講義を通じて、基礎研究と臨床の橋渡しとなる理解を導き、工学の基礎力を備えた研究者としての素養を身につけます。
生物多様性科学
遺伝子・種・生態系の観点から生物多様性の科学について学びます。
村上 和仁 教授 ― エコテクノロジー、ゲノム、バイオテクノロジー、微生物、生態系
顕微鏡下の生物多様性(マイクロコズム)。
21世紀の大きな課題のひとつに生物多様性の問題があります。遺伝子工学の発展により創出された遺伝子操作生物やゲノム編集生物の野外生態系での利用、さらにはカルタヘナ議定書で規定された遺伝子資源の国境を越えた移動も、古くから議論されてきた「外来種による既存の生態系への侵略」と本質的には同一の問題です。本科目では野外生態系やフラスコサイズのモデル生態系(マイクロコズム)における研究を通じて生態系の機能と構造を理解し、遺伝子レベル、種レベル、生態系レベルから、生物多様性すなわち生物の共存共栄のメカニズムとその活用について学びます。また、遺伝子情報そのものの生態系での挙動といった分子生態学も扱います。
分子進化学
生体分子の情報から生物の進化を解き明かす方法を学びます。
根本 直樹 教授 ― 遺伝子工学、ゲノム、進化、タンパク質、微生物
分子進化の解析技法と生物の進化を学ぶ。
生物の進化は、かつては生物が持つ特徴的な形態を見つけて分類し、そこから考えていました。形態の理解は今でも重要ですが、DNAやタンパク質の配列情報が容易に得られるようになってからは、それら生体分子の情報をもとに生物を分類し、進化を考えることが主流となりました。これが分子進化学です。例えば顕微鏡でしか見えない微生物は、どれもよく似た形態ですが、DNAの配列情報にもとづく分類では違いが明確にわかり、近縁関係が分かります。また、ある生物どうしの配列を比較することで、その共通祖先としてかつて存在した生物の情報を手にすることもできます。この講義では分子進化の解析法を学び、実際に生物がどう進化してきたかを理解します。
医薬品生産技術
基幹産業である医薬品の製造技術を学ぼう。
河合 剛太 教授 ― RNA、ゲノム、タンパク質、バイオインフォマティクス、バイオテクノロジー
医薬品の製造や販売に関する法律も学ぶ。
効果が高く、安全な医薬品の生産は、病気を治療し、健康を維持するためにとても大切です。この科目では、医薬品学の基礎を学んだのち、現代医薬品の主流である低分子化合物による医薬品及びその生産についての基礎を学修。さらには、近年急速に発展しているバイオ医薬品及びその生産についての基礎を学びます。また、創薬業界ビジネスの基礎と実情について、実際に現場で活躍している専門家から学ぶ機会も用意しています。高度な医薬品の生産は、今後も国内の重要な基幹産業であると期待されています。生命科学科で学んだことを生かして活躍する場所のひとつである医薬品の生産の現場について理解し、将来の就職に役立てることができます。