○ 研究内容

　RNAは，すべての生物においてタンパク質の生合成系の重要な反応を実際に行っている重要な分子である．また，エイズやインフルエンザを引き起こすウイルスはその遺伝子がRNAであり，生命においてRNAの重要性はタンパク質に劣らない．本研究では，近年急速に増大しているゲノム情報のなかからRNA遺伝子候補を検索し，推定RNA分子の立体構造の安定性を指標にその評価を行う．さらに，その機能を探ることを試みる．一方，土壌などから得られる細菌について，それに含まれるRNA分子を単離することを試み，新規RNA分子の探索を行う．得られたRNAの立体構造の決定および機能の推定を行うとともに，新しいRNAの応用の可能性について検討する．

○ 期待される効果

　RNAは細胞において重要な機能を担っている．また，エイズやインフルエンザなどはRNAウイルスによる疾患である．しかしながら，RNAの構造や機能については，まだ未知の部分が多く残されており，本研究において未知のRNA分子あるいは機能を明らかにしていくことは，疾病の治療を含めた薬学の分野で貢献できると考えられ，また，新しい分子認識能の発見は，新しい機能性分子としてのRNAの可能性を広げることに寄与すると考えている．一方，多くのゲノム解析プロジェクトがタンパク質遺伝子の解析をその中心課題として推進されている現状において，本研究プロジェクトはそれらを相補するものであり，この分野への貢献も大きいと期待できる．

　RNA解析用PCクラスタマシン

○ 研究メンバー

工学部・助教授　　河合　剛太

工学部・教授　　高久　洋

工学部・助教授　　滝口　泰之

工学部・講師　　黒崎　直子

○ 研究期間

　平成１４年度〜平成１６年度